一般相対性理論 |
具体的にいろいろ計算してみよう |
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自由落下は測地線を経路とするか? |
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Lorentz 系で自由粒子は |
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に従う。は直線座標である。曲線座標を用いて書き換える。これによって重力のみが働く運動、すなわち自由落下を記述する方程式が導出できるはずである。 |
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を用いて、 |
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これから計量がわかり、これを使うと上式は |
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これが恒等的に成立するためには( ) 内が0 でなければならない。これは測地線方程式に他ならない。こうして、自由落下は時空の測地線を経路とすることがわかった。
自由落下は重力のみと相互作用し運動する事である。つまり、これは光に対しても成立する事を意味する。光も質点も同じように重力に引かれるのである。ただし、光に対してはdτ
= 0 なので、パラメータとして固有時をとることが出来ない。しかし、適当なパラメータλ を用いれば運動は記述できる。このパラメータλ を、アフィンパラメータという。なぜこのパラメータを用いて記述できるかというと、光に対して、特殊相対論では、 |
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が成立するからである。あとは質点の場合と同じ。アフィンパラメータは便利なように適当に定めればよい。例えば、 |
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のようにとってもよい。(光の4 元運動量は例えば、(ω, 0, 0, ω)(自然単位系)時間との関連付けは次のようにする。 |
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から |
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) |
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重力場方程式 |
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それではを定める方程式を探そう。ここでは概略を述べるに留める。
gμν は10 個の成分をもつから、場の方程式も10 個の成分を持つtensor 方程式である。
Newton の重力法則は |
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と書ける。そこで求める方程式は |
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と考えてよいだろう。右辺はEnergy 運動量tensor であると考えられる。そうすると左辺もEnergy 運動量tensor と同じ性質を持っていなくてはならない。こういった考察から左辺はEinstein
tensor であると考えられ、重力場方程式として |
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が得られる。Newton 力学との比較により、 |
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宇宙項を入れれば、 |
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シュヴァルツシルト解 |
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Einstein 方程式の厳密解の一つがシュヴァルツシルト解である。このもとで、4 元距離は |
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と表される。この解について詳しく調べてみよう。メトリックは |
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である。反変tensor としてあらわすと、上の行列の逆行列であるから、 |
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となる。これをもとにしてクリストッフェル記号を計算する。 |
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であるが、シュヴァルツシルト解ではメトリックは対角成分しか存在しないため、明らかにρ = λ でなければ値を持たない。 |
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メトリックの一階微分のうちゼロでないのは |
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だけである。これから、クリストッフェル記号は |
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となる。測地線方程式は |
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であり(τ でなく、λ をパラメータとしてとったのは、光に関してはdτ = 0 となるからである。そこで、もっと一般的なパラメータとしてλ をとった)、これからこの具体形を求めるのであるが、簡単のため、空間に関しては2
次元で考える。すなわち、? = const とする。測地線方程式は |
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となる |
シュヴァルツシルト解はr = 4a が特異点(点といっても球面なのだが) となっている。
しかし、これは本質的には特異点ではない。これは不適当な座標を採用した事による特異点であり、座標系を変えればこの特異点は消失する。物理的に本質的な特異点はr
= 0のみである。この解は、真空中のEinstein 方程式に球対称を仮定して求められた解であるため、物質の存在しない領域でのみ意味を持つ。太陽など、球状の天体は球対称な重力場を発生するであろうから、そのような天体の周りではシュヴァルツシルト解が成立していると考えられる。
r = 4a は重力半径(またはシュヴァルツシルト半径) と呼ばれる。測地線方程式を用いて具体的に計算すればわかるが、この内側に入ると、例え光と言えども二度とその外へ出ることが出来なくなる。通常の天体では4a
が十分に小さいため、天体表面の外側へでる事がない。しかし、非常に高密度な天体は4a が天体表面よりも外側にあり、光さえも脱出できない領域を作り出す。このような天体をブラックホールという。
ここで、シュヴァルツシルト解のもとで、質点はどのような軌道で落下するのかを簡単に見てみる。精度に問題はあるが、最も簡単なEuler 法を用いて数値計算する。結果は以下の通りである。 |
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接続係数の簡単な計算法 |
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接続係数を定義から計算していくのはコンピュータを使わなければかなり大変である。そこで、ここでは手計算で比較的簡単に計算できる方法を紹介する。それは、測地線方程式を利用する方法である。具体的に |
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の場合を例にとって計算してみる。 |
測地線方程式はの作用が極値をとる条件から出てくる。Euler-Lagrange方程式は |
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であり、これを具体的に計算すれば |
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となる。これから接続係数は |
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となる。 |
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